Hiroyuki⚽️Takada

教員として働きながら、フリーで国際協力をしています。

教えて、ピタゴラス👨🏻‍🏫

f:id:hiroyuki913:20190819052305j:image

(漁港隊員が企画した算数夏期講習inコトヌー👨🏿‍🏫)
f:id:hiroyuki913:20190819052312j:image

(全員が成績を伸ばしました💮)

f:id:hiroyuki913:20190819065906j:image

(丸つけ)

 

 

Bonjour!!

Ça va??

 

ベナン🇧🇯での生活も1年1ヵ月が経過しました。

そして、任地ザポタに配属されてから、ちょうど1年になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

最初は、カルピスのような水道水に、シャワー室がなく外での水浴び、キッチンもなく、サソリが出たりなど、苦労もたくさんありましたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり「住めば都🏘」ですね。

今では、子ども達の泣き声も小鳥のさえずりに聞こえます。とても居心地がいいです。笑

残り7ヶ月ですが、楽しんでいきたいと思います。

f:id:hiroyuki913:20190819082237j:image

(長屋の子ども達のクセの強いポーズ)

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回は日本の教員👨🏻‍🏫仲間から「ベナンの教育の課題について教えてほしい!」とリクエストがあったので、私が活動する「算数」を中心に記事を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今は2ヶ月の夏休み期間で書くことがなかったので、ちょうどよかった!笑

少し長いですが、通勤中の暇つぶしぐらいにはなると思うので、良ければご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは、こちらをご覧ください。

f:id:hiroyuki913:20190819061614j:image

(真ん中の問題に注目してね👀)

 

 

 

「76 ー 6=64」

これは「夏期講習」の時の児童の答案です。

 

 

 

幼稚園児なら仕方ないよ!」とか

たまたまの間違いでしょ?」とか

小1くらいならありえるよ」とか

 

 

 

 

 

色々な声が聞こえできそうですが、これを解いたのは、なんと小学6年生です。笑

f:id:hiroyuki913:20190819064716j:image

(彼です。笑)

f:id:hiroyuki913:20190819062221j:image

(ポーズのクセが強い。笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベナンでは小学校高学年でも

繰り下がりのある引き算ができなかったり

そもそも引き算が何かわかっていなかったり

1の位や10の位を揃えずに計算したりなど

f:id:hiroyuki913:20190819070826j:image

(だいたい3分の1は怪しい)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

算数の課題は本当に「深刻」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日の夏期講習で多く見られたケースでいうと「5+10=60」と答えとしまうことが多々ありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし「10+5=15」と答えられていたので、おそらく位に対する理解が不十分だったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、ベナンの小学校6年生が習う算数の内容は「 ①分数の足し算」「②円の面積」「③体積と容積の関係」「④円の作図」などが教科書には記載されています。(一部を紹介)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、教科書の内容と児童の実態は大きくかけ離れており、「理想」と「現実」が乖離しています。しかも、この内容は小学校卒業試験にも出題されるという何とも言えない状況なわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では「なぜベナンの児童は算数に課題を抱えているの?」という話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、皆さんにも想像しやすいように、前提としてベナンの教育現場👨🏻‍🏫の課題を箇条書きしてみます!

 

 

・計算力不足。

・定規、分度器など算数に必要な備品がない。

・生徒が多すぎて指導しきれない。(最高70人)

・教員が問題を解けない場合がある。

・間違えると体罰。結果、思考停止に。

・フランス語理解できない。(1番深刻)

・講義型の授業。(先生が一方的に話すだけ)

・考える力がない。(場面がない)

コピー機がないのでプリント等は配らない。

・教科書は全員が持っているわけではない。

・乾季は暑すぎて授業どころではない。

・黒板が恐ろしく汚い。

f:id:hiroyuki913:20190819064255j:image

(このクラスは50人くらいです!)
f:id:hiroyuki913:20190819064246j:image

(もう黒板が汚くて何書いてあるからわからない。)

f:id:hiroyuki913:20190819064605j:image

(全員同じに見えてしまう。笑)

 

 

 

 

 

 

と、こんなところでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

では、本題に戻りましょう!

なぜベナンの児童は算数に課題を抱えているのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論からいうと、

数に対する認識(理解)が不十分だから」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えば、ある1頭の犬🐕を見せられた時に「これは何ですか?」と聞かれたら「犬です🐶」と答えることができると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、ポメラニアンだろうが、フレンチブルドックだろうが1頭の犬を見たら「それは犬です🐕」と自信を持って言えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜならそれは「犬とはこういうものだ」という認識(理解)が頭の中にあるからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この認識のことを、難しい言葉で言うと「概念」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前にこんなことがありました。

 

ノートに直線を書いてみよう」と児童に指示を出すと

 

 

 

 

 

 

 

 

直線て何?」という反応があったんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうです。この時の児童には

直線とはこういうものだ」という概念がなかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、私は次のように直線について説明しました。

まず、紐持って来て、端と端で紐を持ち「がぴんと張っている状態のことを直線」といいますと説明しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると直線を理解した児童は定規を取り出して直線をかけるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

話を戻しましょう。

もう少し頑張ってくださいね。笑  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の2つは「数に対する認識が不十分である」ザポタの学校で見られた事例です。

 

①0が何かわかっていないために0に何かを足す計算を間違えてしまう。(0とはこういうものだという認識がなかったため)

 

②数字の3が3番目にある事は知っているけど、3までに何個の数があるかはわからない。(ものや数を順番で捉える認識が不十分なため)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この問いに関して、

日本で自分たちが受けてきた教育を振り返ると理由がわかる気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では小学校1年生になると「算数セット」という魔法の道具が配られます。

f:id:hiroyuki913:20190819073100j:image

(意外と重いんだよな。笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おはじき」や「ブロック」などの具体物を使って、数に対する認識を深めていくわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まりちゃんは、おはじきを3つ持っているね。この3つのおはじきは、2つと1つに分けることができるね。じゃ3とという数字は2と1を合わせた数字になるんだね。」というように

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学校の先生が1から丁寧に「数に対する認識」を教え、深めていくわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、ベナンではそうはいきません。算数セットなんてもちろんありませんし、母語もままならない児童がフランス語で学ぶわけですから、一筋縄ではいかないんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達日本人は、こういった数に対する認識を学習指導要領に沿って、日本語で教わり、小さな頃から積み重ねてきた。そしてこの概念形成はとても奥深く、時間がかかる。数学が学校教育で主要教科とされる理由がわかる気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそして、

だからこそ私は悩んでいるのです。

その「数に対する認識」の育成は、もうボランティア1人の力ではどうすることもできないからです。課題が大きすぎるのです。ベナンの場合は、歴史と経済も絡み合ってより教育事情は複雑な状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目指すべき目標は明確になった。

しかしそこまでの手法がわからない。

というか、結局お金と歴史の問題になる。笑

1年目を終えたからこそ見えた課題に、どうすればいいのだろうと無力感でいっぱいの毎日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実をいうと、

私はもともと教員養成の要請内容を希望していました。現地教員に授業のやり方や教材の提案学級運営や生徒指導など、日本で学んだ経験を伝えたいと思っていたからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこそ、南米や大洋州の小学校教員が経験を生かして活動してる様子を見ると、正直羨ましかったりすることもあります。笑 (もちろん他の国は他の国で大変であることは重々承知してます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だけど神様は私に「ベナンに行け」と命令を出したわけですから。

最後まで、どうにかして納得いく「」を見つけられるようにしたいと思います。

後はこの算数でやり切ったといえれば、もう満点ですよ。

f:id:hiroyuki913:20190819082522j:image

(学校🏫)

 

 

 

 

 

 

とにかく一歩でも、前に進めるようにもがきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ピタゴラスがいたら。

現場からは以上です。

それではまた〜

 

 

 

PS:健康診断引っかかりした。笑 世界で活躍され隊の皆様、健康には気をつけて!

f:id:hiroyuki913:20190819080442j:image

(最近私を見ても泣かなくなった近所の子)